高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 上腕骨近位端 上腕骨近位部骨折に対する髄内釘(Polarus Humeral Nail)の手技と適応
南里 泰弘
1
,
林 博志
,
三石 桂
,
井上 啓
,
寺崎 禎
,
常田 剛
,
野村 一世
1富山県厚生農業協同組合連合会滑川病院 整形外科
キーワード:
肩関節
,
関節可動域
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
上腕骨骨折
,
リハビリテーション
Keyword:
Bone Nails
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Humeral Fractures
,
Shoulder Joint
,
Rehabilitation
,
Range of Motion, Articular
pp.12-17
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055137
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著者らは高齢者の上腕骨近位部骨折に対し髄内釘固定法としてPolarus Humeral Nailを用いている。そこで、術後3ヵ月以上経過した45症例(平均年齢79歳)を対象に、その適応と問題点を考察した。1)平均1年5ヵ月経過観察で、本手術法では骨頭軟骨を傷害すること、腱板分割が必要なことを考慮し、その適応は比較的高齢者で、AO分類11-A2、3、B1、2、3と考えられた。2)Nailの挿入部位は上腕骨頭の頂点近くの軟骨面であり、挿入時に大結節を離開させないようにすることが重要であった。3)挿入に際し、十分な整復位を得て、Kirschner鋼線で仮固定を行ない、肩関節に内転しても骨折部が転位しないように十分な注意が必要である。4)合併症としては8例に近位screwの弛みが認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007