高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 上腕骨近位端 高齢者における上腕骨近位端骨折に対する順行性直線型髄内釘法
新村 光太郎
1
,
山本 謙吾
1東京医科大学 整形外科
キーワード:
肩関節
,
関節可動域
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
上腕骨骨折
Keyword:
Bone Nails
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Humeral Fractures
,
Shoulder Joint
,
Range of Motion, Articular
pp.18-22
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055138
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著者らは高齢者の上腕骨近位端骨折に対し、順行性直線型髄内釘であるTargon PHを用いてきた。そこで、手術適応および手術手技および後療法を紹介し、その治療成績と問題点等について考察した。対象は65歳以上で術後6ヵ月以上経過観察可能であった15症例(平均年齢75歳、平均観察期間22.3ヵ月)とした。1)本髄内釘は直線型で近位は骨頭頂部に位置し、近位screwを多方向に挿入可能なため、固定性の獲得が期待できる。そのため早期ROM訓練を行なうことで、肩関節機能の再獲得は比較的良好であった。2)大結節外上縁から頸部骨折部までの距離が3cm未満の短頸タイプは8例であったが、7例で一部のscrewが頸部骨折部から挿入されており、近位骨片を固定する近位screwは実質1~2本と制限されていた。3)短頸タイプでは多方向から近位screwが挿入可能である同髄内釘の特長を生かせない可能性が高く、臨床成績の比較でもROMやJOAスコアは短頸タイプは3cm以上の長頸タイプに比べて劣っていた。
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