大腿骨近位部骨折患者に対するポリファーマシー対策 -――コマネジメントにより治療した256例の検討

Co-management makes polypharmacy better in hip fracture patients：analysis of 256 patients at a single institution

は じ め に

　Hospitalist/orthopedic surgery co-management（HOCM）とは，ホスピタリストと呼ばれる病棟担当医が全身管理を担い，整形外科医は運動器疾患の手術療法に集中するシステムである^1,2）．ホスピタリストが整形外科急性期医療で生じる内科合併症に対応すれば，整形外科医の負担は軽減し運動器疾患に集中することができる．

　大腿骨近位部骨折に対するHOCMの利点の一つに，適切な薬剤調整があげられる．つまり，ポリファーマシーや転倒リスクを有する薬（fall-risk increasing drugs：FRIDs），そして骨粗鬆症治療への介入である^3）．本稿の目的は，当院で実践されているHOCMがポリファーマシーを改善するかを調査することである．