胸腰椎移行部の骨粗鬆症性椎体骨折後骨癒合不全に対する手術成績 -――低侵襲側方アプローチによる椎体置換術と経皮的椎弓根スクリューによる前後方固定術と椎体形成術を併用した後方固定術の比較・検討

Surgical outcomes after minimally invasive direct lateral corpectomy with percutaneous pedicle screws for osteoporotic thoracolumbar vertebral collapse with neurologic deficits in the thoracolumbar spine compared with those after posterior spinal fusion with vertebroplasty

【要　旨】

　目　的：保存的治療で治療困難である骨粗鬆症性椎体骨折（OVF）に対する二つの術式の画像および臨床的治療成績を比較・検討すること．

　対象および方法：Th11～L1椎体レベルのOVFに対してハイドロキシアパタイト（HA）ブロックによる椎体形成術と後方固定術を併用した（VP群）と側方アプローチによる低侵襲椎体置換術に経皮的椎弓根スクリュー（PPS）による前後方固定術を施行した（X-core/PPS群）のうち2年以上経過観察しえた症例を対象とした．手術侵襲，術前，術後，術後2年時の画像評価，臨床評価について比較・検討した．

　結　果：手術侵襲は両群間で同等であり，致命的な周術期合併症はなかった．術後は両群とも局所後弯が矯正されていたが，術後2年時にはVP群で有意に矯正損失が認められた．術後2年時のOswestry Disability Index（ODI）はX-core/PPS群が有意に良好であった．

　結　論：低侵襲な前後方手術は，OVFの治療において，局所後弯の矯正損失，隣接椎体骨折，instrumentation failureを軽減しうる．