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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第2章 術前準備と周術期管理
周術期の骨粗鬆症薬の使い方
Use of Drugs for Osteoporosis Perioperative Period of Spinal Surgery
大鳥 精司
1
,
井上 玄
2
,
稲毛 一秀
1
Seiji OHTORI
1
,
Gen INOUE
2
,
Kazuhide INAGE
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2北里大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
骨粗鬆症
,
osteoprosis
,
薬物
,
drugs
,
脊椎手術
,
spinal surgery
Keyword:
骨粗鬆症
,
osteoprosis
,
薬物
,
drugs
,
脊椎手術
,
spinal surgery
pp.871-876
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201966
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はじめに
骨粗鬆症は,本邦,諸外国で問題となる疾患である.日本国内の骨粗鬆症患者は高齢女性を中心に年々増加しており,自覚症状のない未受診者を含めると1,300万人に上ると推定されている3).50歳以上の患者において男性では15%,女性では51%が骨粗鬆症であるとも報告されており6),特に女性ではホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降に多く,60代女性の3人に1人,70代女性の2人に1人が罹患しているとされる23).近年では多くの脊椎疾患に罹患する高齢者が増えており,骨粗鬆症椎体に対する脊椎固定術が施行されるようになってきている.ただし,椎体骨折やペディクルスクリュー(PS)ルースニング,さらには骨癒合不全が問題となる.長期的には隣接椎体の問題も指摘され,再手術の原因となる.Cadaverを用いた研究によると,骨粗鬆症患者においては,引き抜き強度が弱く,PSルースニングが生じやすいという報告がある9).これらを予防するには,手術テクニックはもちろんであるが,周術期の骨粗鬆症に対する薬物療法がそれ以上に重要である.本稿では,脊椎手術における骨癒合促進効果やインプラント固定の強化について,動物実験とヒトから得られた薬物治療を中心に述べたい.
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