胸腰椎移行部における新鮮椎体骨折に対する保存療法（ギャッチアップ治療）について

Conservative therapy for fresh vertebral fractures in the thoracolumbar

は じ め に

　人口高齢化の進行に伴い，脊椎椎体骨折の診療に当たる機会は近年増加している．セメントや人工骨を用いた椎体形成術やインプラントを用いた固定術などの手術療法の選択肢が多くある一方，患者の全身状態などの要因で手術療法が困難である症例も散見される．

　これまで当科では手術療法が困難であった場合を含め，胸腰椎移行部の新鮮椎体骨折（osteoporotic vertebral fracture：OVF）に対して積極的に保存療法を行ってきた．本稿では，その具体的な方法について論文的考察を加えながら述べる．