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【要 旨】
目 的:頚椎椎弓形成術後の椎弓間骨癒合は,術後の可動域(ROM)の減少や神経障害と関係があると報告されている.骨癒合予防目的にC3椎弓切除術(C3 LN)がしばしば行われるが,それが患者報告アウトカムに影響を与えるか否かは不明である.本研究の目的は,両開き式頚椎椎弓形成術におけるC3 LNとC3椎弓形成術(C3 LP)の相違点を明らかにすることである.
対象および方法:東大脊椎グループ(UTSG)のデータベースを用いて,2017年4月~2018年5月に関連7病院で両開き式椎弓形成術を受けた頚髄症患者を対象とした.手術前と術後1年に,患者背景データ,手術関連因子,画像所見(C2~C7角,C2~C7 ROM角,C2-C3椎弓間骨癒合など),日本整形外科学会頚髄症治療成績判定基準(JOAスコア),術後満足度,頚部痛,患者立脚型アウトカムであるshort form-12(SF-12),EuroQol 5 dimension(EQ-5D),Neck Disability Index(NDI),Core Outcome Measure Index(COMI)などを収集した.
結 果:C3 LPを受けた患者が97例,C3 LNを受けた患者が55例,計152例の患者を解析した.患者背景データ,合併症,手術関連因子に有意差はなかった.C2-C3椎弓間骨癒合はC3 LP群でより多く発生した(C3 LP:22.6%,C3 LN:5.7%).また,C2~C7角,C2~C7 ROM角,JOAスコア,患者満足度,頚部痛,SF-12,EQ-5D,NDI,COMIに群間差はなかった.
結 論:両開き式頚椎椎弓形成術後のC2-C3骨癒合はC3 LP群のほうがC3 LN群より多く発生した.C3 LNはC3 LPと比較して,合併症発生率,X線所見,臨床成績において同等の結果を示した.
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