Japanese
English
連載 最新原著レビュー
日本脊椎脊髄病学会モニタリングワーキンググループが策定した術中脊髄モニタリングアラームポイントの妥当性
Validity of the alarm point in intraoperative neurophysiological monitoring of the spinal cord by the Monitoring Working Group of the Japanese Society for Spine Surgery and Related Research:a prospective multicenter cohort study of 1934 cases
高橋 雅人
1
M. Takahashi
1
1杏林大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kyorin University, School of Medicine, Tokyo
キーワード:
intraoperative neurophysiological monitoring
,
OPLL
,
spinal cord tumor
,
spinal deformity
Keyword:
intraoperative neurophysiological monitoring
,
OPLL
,
spinal cord tumor
,
spinal deformity
pp.1007-1011
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1007
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【要 旨】
目 的:日本脊椎脊髄病学会モニタリングワーキンググループが策定した術中脊髄モニタリングアラームポイントの妥当性を評価する.
対象および方法:本研究は多機関共同前向き研究である.ワーキンググループ16施設で脊椎脊髄手術を受けた1,934例を対象とし,ハイリスク群と通常群の2群に分けた.経頭蓋刺激-筋誘発電位(Tc-MEPs)で脊髄モニタリングを行い,ベースライン振幅の70%以上低下をアラームポイントと定めた.術後運動麻痺発生率,感度,特異度,陽性・陰性的中率を調査しアラームポイントの妥当性を評価した.
結 果:ハイリスク群48/920例(5.2%),通常群11/1,014例(1.1%)に術後運動麻痺が発生した.ハイリスク群の感度,特異度,陽性・陰性的中率は,それぞれ94.4%,87.0%,32.1%,99.6%であった.通常群は,63.6%,91.9%,8.1%,99.6%であった.通常群の感度は低い傾向にあった.後縦靱帯骨化症(OPLL)は,それぞれ100%,86.9%,26.7%,100%であった.脊柱変形は,それぞれ87.5%,84.8%,12.3%,99.3%であった.脊髄腫瘍は,それぞれ92.9%,89.9%,50.0%,99.1%であった.ハイリスク群の疾患別の感度,特異度に有意差はなかった.
結 論:ワーキンググループが策定したアラームポイントは,ハイリスク群のいずれの疾患に対しても妥当な基準である.通常群においても,術前運動麻痺が存在しない例に対して妥当な基準である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022