Japanese
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特集 脊椎脊髄外科におけるモニタリング
髄内腫瘍におけるMEPモニタリングの実際応用と限界
Practical Use and Limitation of Motor Evoked Potential Monitoring during Surgery for Spinal Cord Intramedullary Tumors
黒川 龍
1
,
金 彪
1
Ryu KUROKAWA
1
,
Phyo KIM
1
1獨協医科大学脳神経外科
1Department of Neurologic Surgery, Dokkyo Medical University
キーワード:
脊髄髄内腫瘍
,
spinal cord intramedullary tumor
,
術中神経生理学的モニタリング
,
intraoperative neurophysiological monitoring
,
手術治療
,
surgical treatment
Keyword:
脊髄髄内腫瘍
,
spinal cord intramedullary tumor
,
術中神経生理学的モニタリング
,
intraoperative neurophysiological monitoring
,
手術治療
,
surgical treatment
pp.647-651
発行日 2018年7月25日
Published Date 2018/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200917
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はじめに
脊髄は太さわずか15mm弱の臓器であるが,中に運動・感覚・自律神経に関わる神経線維や神経細胞が密集している.そのため脊髄には,切除しても神経症状をきたさない安全な部位がない.髄内腫瘍の手術では,脊髄への侵襲を最小限にする精密な顕微鏡的手術手技と,腫瘍をどこまで摘出するかの状況判断が重要である.その判断には,腫瘍の局在や性状(固さ,血流),腫瘍境界の様子(浸潤性か,圧排性か),脊髄の状態(肉厚,浮腫の程度)といった術野の情報だけではなく,患者の状態,迅速病理診断,術中神経生理学的モニタリングなどの所見も考慮する必要がある.髄内腫瘍手術の術中神経生理学的モニタリングでは,大脳を電気刺激し四肢骨格筋の誘発電位を観測する経頭蓋刺激運動誘発電位(transcranial motor evoked potential:MEP)が通常用いられる.本稿では,3例の髄内腫瘍手術におけるMEPモニタリングの結果を供覧し,その意義と限界について考察する.
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