Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅳ.住民コホートによる評価
9.ながはま0次予防コホート
Locomotive syndrome in Nagahama study
伊藤 宣
1
,
森田 悠吾
1
,
松田 秀一
1
H. Ito
1
,
Y. Morita
1
,
S. Matsuda
1
1京都大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kyoto University, Graduate School of Medicine, Kyoto
キーワード:
locomotive syndrome
,
general population
,
cohort study
,
knee pain
,
OA
Keyword:
locomotive syndrome
,
general population
,
cohort study
,
knee pain
,
OA
pp.646-649
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_646
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は じ め に
日本整形外科学会が提唱し推進するロコモティブシンドローム(ロコモ)は,これまでの学会あげての努力が実って一般にも広く知れわたり,「運動」の多面的な必要性,重要性とその効果があまねく認知されるようになった.それに伴って,ロコモの原因となる多くの運動器疾患がクローズアップされ,さまざまなメディアでもとりあげられるようになった.一方,ロコモをよく理解し,対策をとるためには,病院を受診しない,いわゆる「健常人」を含めた一般大衆における「有病率」,およびいくつかの評価法の正常値や分布を年齢ごとに知る必要がある.また複合的疾患であるロコモは,内科的疾患とも深く関係していることがわかってきており,他疾患との関連も重要なポイントである.
わが国において,ロコモが主唱されたときから,さまざまなコホートを用いてその有病率や数値の妥当性は報告されてきたが,地域差を含めてより多くのコホートで何度も検証されなければならない.滋賀県長浜市における住民1万人の住民コホート「ながはま0次予防コホート」にわれわれは発足当初より参画し,ロコモの調査も施行している.本稿では,本コホートにおける調査結果と合わせて,特にその原因疾患ないし症状としての変形性膝関節症(膝OA)や膝痛との関連を中心に報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021