Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅱ.病態・診断
8.歩行測定器によるロコモ評価
Evaluation of locomotive syndrome using gait analyzer
森本 裕樹
1
Y. Morimoto
1
1森本整形外科医院
1Morimoto Orthopaedic Surgery Clinic, Ihara
キーワード:
locomotive syndrome
,
gait analyzer
,
commuting rehabilitation
Keyword:
locomotive syndrome
,
gait analyzer
,
commuting rehabilitation
pp.560-563
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_560
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は じ め に
日本整形外科学会が提唱したロコモティブシンドローム(ロコモ)は,骨や関節,筋肉など運動器の衰えが原因で移動機能が低下した状態と定義されている.現在,通所リハビリテーション(リハビリ)利用者の運動機能評価には,主にTimed Up and Go Test(TUG)が用いられている.TUGは,肘かけのついた椅子に腰かけた状態から立ち上がり,3mを無理のない速さで歩き,折り返してから再び深く着座するまでの時間で運動能力を測るものである.
当院の通所リハビリでは,TUGとともに歩行測定器であるLHR-100(三和ニューテック社,宮崎)を用いたロコモの評価を行っている.LHR-100は3mの片道歩行のみで測定を行い,センサーを体に取りつける必要なく,杖や歩行器など補助具を使用したままで測定可能な歩行測定器である.設置に必要なスペースは3.5×4mであり,測定には1人10秒もかからず,補助者も必要でないため,介護施設などで大勢の人を安全に測定するのに適している.計測される項目は,歩行時の歩幅,歩行速度,膝関節角度で,年齢,性別を入力するとロコモ25の結果と相関があるロコモ点数の推測値を算出し,ロコモ度を判定することができる.
われわれは,通所リハビリ利用者に対して歩行測定器LHR-100で用いたロコモ評価について,最近提唱されたロコモ度3を含め検討したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021