Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅱ.病態・診断
2.身体運動による筋萎縮抑制のメカニズム
Mechanism of the effect of physical activity for preventing muscle atrophy
緒方 徹
1
T. Ogata
1
1国立障害者リハビリテーションセンター障害者健康増進・運動医科学支援センター
1Center for Sports Science and Health Promotion, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities, Tokorozawa
キーワード:
sarcoplasma
,
insulin resistance
,
disuse
,
sarcopenia
Keyword:
sarcoplasma
,
insulin resistance
,
disuse
,
sarcopenia
pp.535-538
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_535
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は じ め に
ロコモティブシンドローム(ロコモ)は運動器の加齢に伴う病態に起因する移動機能障害を示しており,筋力低下はその病態の一つに位置づけられる.またサルコペニアが筋量・筋力に基づいて判断されるように,筋力の低下は日常生活動作に大きなインパクトをもつ要因といえる.しかし,ロコモティブシンドロームのなかでは筋力はあくまで複数の構成要素の一つであることを常に念頭におく必要があり,このことは「筋力の維持,向上」が必ずしも「ロコモの改善」と一致しないことを意味している.本稿では筋力を中心に論じるが,筋力はロコモのほかの要素である「関節機能」,「疼痛」,「バランス」,「骨支持性」,「協調運動」とのかかわりのなかで「立つ,歩く移動機能」を成立させていることを忘れてはならない.
© Nankodo Co., Ltd., 2021