Japanese
English
特集 脊柱靱帯骨化症研究の進歩
Ⅰ.基礎研究
4.疾患感受性候補遺伝子RSPO2の発現と機能
Expression and function of a susceptibility gene RSPO2
齋藤 琢
1
T. Saito
1
1東京大学大学院整形外科
1Orthop. Surg., Sensory and Motor System Medicine, Surgical Sciences, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo
キーワード:
OPLL
,
RSPO2
,
Wnt
Keyword:
OPLL
,
RSPO2
,
Wnt
pp.517-519
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_517
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は じ め に
巻頭で述べられたように,靱帯骨化症の研究班をベースに頚椎の後縦靱帯骨化症(OPLL)の大規模なゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)が行われ,疾患感受性のゲノム領域が6ヵ所同定された1).そのなかの一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)の一つ,rs374810は,R-spondin2(RSPO2)遺伝子の転写開始点近傍に存在する.RSPO2はRSPOファミリーに属する分泌蛋白であるが,RSPOファミリーはWntシグナルを活性化することが知られている.Wntシグナルが骨形成を強力に促進し,また骨格形成期には軟骨内骨化を制御することも広く知られていることから,RSPO2がOPLLに関与することが強く疑われた.
本稿では,RSPO2に関する既存の報告を紹介するとともに,OPLLの病態解明,治療法開発に関する研究班で得られた成果について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018