Japanese
English
連載 専門医のための症例問題トレーニング
脊椎・脊髄疾患
Spine and spinal cord disease
古矢 丈雄
1
T. Furuya
1
1千葉大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Chiba University Graduate School of Medicine, Chiba
キーワード:
OPLL
,
cervical spine
,
anterior decompression and fusion
Keyword:
OPLL
,
cervical spine
,
anterior decompression and fusion
pp.1390-1397
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1390
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症 例.60歳,男.
主 訴:手指巧緻運動障害,歩行障害.
既往歴・家族歴:特記すべきことはない.
現病歴:4年前より末梢優位の両下肢しびれを自覚していた.しびれの範囲は次第に拡大し,歩きづらくなった.また,同時に食事の際に箸が使いにくいことを自覚し,書字や洋服のボタンの着脱も以前と比べて困難となった.
初診時身体所見:筋力は正常であった.握力は右32kg,左25kgであった.深部腱反射は両側上腕二頭筋腱および腕橈骨筋腱は正常で,上腕三頭筋腱以下で亢進していた.Hoffmann反射,Wartenberg反射は両側で陽性であった.両側のアキレス腱反射においてクローヌスの所見を認めた.Babinski反射は両側陽性であった.痛覚検査では両側の中指-小指,前腕・上腕尺側で感覚鈍麻を認めた.腹部体幹に締め付けられているような感じがあった.また,臍部以下の体幹および両下肢にしびれがあり,両側大腿前面の灼熱感を訴えた.左手にⅡ度の指離れ徴候を認めた.10秒テストは右13回,左8回と,手指巧緻性が低下していた.立位はかろうじて可能であったが,歩行は伝い歩きレベルで独歩は困難であった.階段昇降は不可であった.膀胱直腸障害はなかった.
画像所見:頚椎X線像を図1に,頚椎MRIを図2に,頚椎および胸腰椎CTを図3に示す.
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