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特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)
後縦靱帯骨化症候補遺伝子COL11A2の多型によるmRNA発現の差
The Difference in Alternative Sphcing Due to COL11A2 Polymorphism
前田 真吾
1
,
古賀 公明
1
,
井ノ上 逸朗
2
,
酒匂 崇
1
Shingo Maeda
1
1鹿児島大学医学部整形外科
2群馬大学生体調節研究所遺伝情報分野
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
OPLL
,
後縦靱帯骨化症
,
COL11A2
,
コラーゲン11α2遺伝子
,
alternative splicing
,
選択的スプライシング
Keyword:
OPLL
,
後縦靱帯骨化症
,
COL11A2
,
コラーゲン11α2遺伝子
,
alternative splicing
,
選択的スプライシング
pp.559-564
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902980
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抄録:われわれはこれまでHLA領域の罹患同胞対連鎖解析の結果から,コラーゲン11α2遺伝子を後縦靱帯骨化症候補遺伝子として変異(多型)を検索したところ,19カ所の多型を見い出している.患者・対照関連試験にて頻度の比較を行った結果,4カ所の多型で強い有意差を認めている.その中でも最も強い有意差(p=0.0004)を認めたのは,イントロン6(-4)の多型(T/A)である.イントロン変異なので、選択的スプライシングに影響を与えることが予想された.かつ,イントロン6周辺は複雑な選択的スプライシングが起こることがすでに示されている.頚椎棘間靱帯細胞を用いたRT-PCR法にてin vivoで観察し,イントロン6(-4)遺伝子型の違いによりスプライシングパターンが変化することを示すことができた.そこでさらにエクソン・トラッピング法にてin vitroでのスプライシングを解析し,イントロン6(-4)の多型がエクソン6のスキッピングに何らかの形で関わっていることを確認できた.コラーゲン11α2遺伝子の多型により発現するエクソンの組み合わせが異なるということは,OPLL発症における「遺伝的罹りやすさ」を考える上で興味深い.
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