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第3章 血液
[血友病]血友病に対する遺伝子治療の開発
肥谷 うちな
1
,
大森 司
1
1自治医科大学 医学部生化学講座病態生化学部門
キーワード:
血液凝固因子
,
転写
,
アデノ随伴ウイルス
,
翻訳
Keyword:
血液凝固因子
,
転写
,
アデノ随伴ウイルス
,
翻訳
pp.474-478
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_474
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Summary
・血友病は,血液凝固第Ⅷ因子または第Ⅸ因子の遺伝子異常による出血性疾患である.
・血液凝固因子は肝臓でつくられるタンパク質であり,半減期がきわめて短い.
・血友病患者には,生涯にわたり定期的な治療薬を投与することで関節出血を予防することが重要である.
・現在の遺伝子治療は機能的な遺伝子を細胞に補充する遺伝子補充療法が中心である.
・血友病の遺伝子治療はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを静脈投与して,機能的な凝固因子遺伝子を肝臓に送達させる手法で行われる.
・血友病に対する遺伝子治療は1回の投与で数年~数十年にわたって治療効果が持続する.
© Nankodo Co., Ltd., 2024