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第3章 血液
[慢性骨髄性白血病]慢性骨髄性白血病の無治療寛解維持
木村 晋也
1
1佐賀大学 医学部内科学講座血液・呼吸器・腫瘍内科
キーワード:
慢性骨髄性白血病(CML)
,
無治療寛解
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
,
免疫
,
幹細胞
Keyword:
慢性骨髄性白血病(CML)
,
無治療寛解
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
,
免疫
,
幹細胞
pp.479-483
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_479
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Summary
・ほとんどの患者が数年で死亡していた血液の「がん」である慢性骨髄性白血病(CML)が,内服薬のみで完治を望めるまでになった.将来的に,他の「(固形)がん」についても外科的治療せずとも,内服薬だけで治癒を目指せる時代を予感させる画期的な「がん」治療における進歩である.
・劇的な変化をもたらしたのは,2001年に出現したBCR::ABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)である.不可能とされていたTKIの中止に挑戦する臨床試験によって,深い分子遺伝学的寛解(DMR)を一定期間維持できた患者の約半数は治療不要寛解(TFR)が維持できることがわかった.そしてTFR成功に関する予測因子も徐々に明らかになってきた.
© Nankodo Co., Ltd., 2024