特集 “思春期内科”―大人でも子どもでもない患者を診る
[Chapter 2] 思春期に発症しうる疾患
Langerhans細胞組織球症
工藤 寿子
1
1藤田医科大学 小児科
キーワード:
Langerhans細胞組織球症(LCH)
,
BRAF V600E変異
,
中枢性尿崩症(CDI)
,
中枢神経変性症(CNS-ND)
Keyword:
Langerhans細胞組織球症(LCH)
,
BRAF V600E変異
,
中枢性尿崩症(CDI)
,
中枢神経変性症(CNS-ND)
pp.398-401
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_398
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▪Langerhans細胞組織球症(LCH)は2010年にBRAF V600E変異が報告され,現在では「炎症性骨髄腫瘍」の概念が確立し,「がん」と位置づけられる.
▪小児においては骨痛・軟部腫瘤・椎体圧迫骨折などの骨病変,皮疹,肝臓・脾臓・骨髄・リンパ節浸潤,中耳炎,外耳道炎,口腔内潰瘍など多彩な症状で発症する.
▪成人では小児より肺病変が多くみられ,喫煙と関連があるともいわれている.
▪LCHの生命予後は一般的に良好であるが,無イベント生存率(EFS)は低く,再発が多い.再発と晩期合併症として,LCH特有の尿崩症(CDI)や中枢神経変性症(CNS-ND)などがみられることがある.
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