発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011106141
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57歳男。胸部異常影を主訴とした。血液検査所見では血算、生化学、腫瘍マーカーともに正常範囲内であったが、胸部CTにて右第8肋骨に胸腔内へ突出し、骨破壊を伴う辺縁整で造影効果の乏しい腫瘍が描出された。また、骨シンチグラム、FDG-PETでは肋骨腫瘍部位に集積を認め、画像所見より肋骨原発悪性腫瘍が疑われたため、胸腔鏡下に第8肋骨および第7、第8肋間筋を切除した。病変の病理組織像では好酸球浸潤と中小血管増生とを著明に交えた線維性組織球(S-100蛋白陽性、CD1a抗原陽性)の腫瘍状増殖を認め、Langerhans細胞組織球症と診断した。術後経過は良好で術後10ヵ月目の時点で再発は認めていない。本疾患の診断には生検や切除による病理組織学的検索が必要と思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2011