特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
Overview
骨髄腫の初発症状から診断まで
水谷 信介
1
,
黒田 純也
1
1京都府立医科大学大学院 医学研究科血液内科学
キーワード:
骨髄腫診断事象(MDE)
,
骨髄腫診断バイオマーカー(MDB)
,
CRAB症候
,
M蛋白
Keyword:
骨髄腫診断事象(MDE)
,
骨髄腫診断バイオマーカー(MDB)
,
CRAB症候
,
M蛋白
pp.695-699
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_695
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Summary
▪多発性骨髄腫(MM)は,単クローン性ガンマグロブリンであるM蛋白の産生,ならびに高カルシウム血症,腎障害,貧血,骨病変などの骨髄腫診断事象(MDE)による多彩な臨床症状を呈する形質細胞性腫瘍である.
▪初診時に最も多い症状は骨痛などの骨関連事象であるが,自覚症状がなく偶発的に発見された検査値異常を契機に診断に至る場合も少なくない.
▪MMを疑った場合には,血清中のM蛋白や遊離軽鎖(FLC)の異常,尿中のBence Jones(BJ)蛋白,さらに骨髄における骨髄腫細胞の有無を検討する.
▪確定診断後は,疾患関連症状,予後因子,髄外腫瘤の検索のための画像検査など,各種の検査を包括的に施行し,病状の全体像の把握に努める.
© Nankodo Co., Ltd., 2022