今月の主題 一般内科医がみる血液疾患―血液専門医との効率的な連携のために
血液疾患の診断へのアプローチ
多発性骨髄腫の初発症状
奥田 慎也
1
1さいたま市民医療センター血液内科
pp.1738-1741
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105410
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
★多発性骨髄腫には特異的な症状はなく,臓器障害(腰痛・背部痛,貧血・高カルシウム血症・腎不全など)に伴う多彩な症状を認める.
★多発性骨髄腫は単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)を産生する腫瘍であり,正常な免疫グロブリンやアルブミンの産生は抑制される.
★多発性骨髄腫を疑う時,血清総蛋白,血清アルブミン,尿中蛋白定量を必ず測定する.
★総蛋白とアルブミンの乖離,尿中蛋白量増加などから,M蛋白の存在を疑い,免疫電気泳動検査を行う.
★臓器障害に関連する症状とM蛋白を認めたら,多発性骨髄腫の診断(骨髄穿刺)と治療のため血液内科医に紹介する.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.