特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
Overview
骨髄腫の治療の概要
飯田 真介
1
1名古屋市立大学医薬学総合研究院 血液・腫瘍内科学分野
キーワード:
多発性骨髄腫(MM)
,
プロテアソーム阻害薬(PI)
,
免疫調節薬(IMiDs)
,
抗CD38抗体
Keyword:
多発性骨髄腫(MM)
,
プロテアソーム阻害薬(PI)
,
免疫調節薬(IMiDs)
,
抗CD38抗体
pp.701-706
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_701
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Summary
▪多発性骨髄腫(MM)患者の生存期間中央値は約5~6年であり,新規薬剤の導入により著明に改善している.
▪キードラッグはプロテアソーム阻害薬(PI),免疫調節薬(IMiDs)と単クローン性抗体薬(mAb)であり,従来のアルキル化薬や副腎皮質ステロイドも用いられる.
▪t(11;14)転座陽性例に対するBCL-2蛋白阻害薬の選択的有効性も確認されている.
▪自家造血幹細胞移植の適応患者には,導入療法後に大量melphalan療法を実施する.
▪移植非適応患者には,抗CD38抗体と新規薬剤で治療導入し一定期間治療を継続する.
▪初回治療が奏効しても数年以内に再発をきたすことが一般的であり,セカンドライン以降の救援療法は既使用薬の感受性,染色体病型,患者のフレイルや合併症,既治療による副作用などを総合的に判断して決定する.
▪B細胞成熟抗原(BCMA)を標的としたキメラ抗原受容体導入T細胞(CAR-T)療法,二重特異性抗体や抗体薬物複合体(ADC)の治療薬開発が進んでいる.
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