特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第7章:消化管
炎症性腸疾患は外来で治療できる
長沼 誠
1
1関西医科大学内科学第三講座
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
外来治療
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
外来治療
pp.596-599
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_596
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)およびCrohn病(Crohn disease:CD))は若年に発症することが多く慢性に炎症が持続し,再燃と寛解を繰り返す疾患である.いまだ原因は不明な点も多いが,遺伝的素因,食生活や腸内細菌などの環境因子の影響により,免疫の過剰・異常をきたし,炎症が惹起・持続すると考えられている.患者数は年々右肩上がりで,UCとCDを合わせて30万人に近づくことが見込まれている.また,基本的な治療薬は5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤とステロイドであるが,これらの治療法により症状が改善しない例や,ステロイド減量中や離脱後に再燃する例に対しては,生物学的製剤,免疫抑制薬,低分子化合物などが開発され,難治例に対する治療法として確立している.
© Nankodo Co., Ltd., 2021