特集 炎症性腸疾患1997
序説
炎症性腸疾患の診断と治療
八尾 恒良
1
1福岡大学筑紫病院消化器科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
炎症性腸疾患
,
診断学
,
消化管形態学
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
炎症性腸疾患
,
診断学
,
消化管形態学
pp.244-245
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105044
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最近では“炎症性腸疾患(inflammatory boweI disease; IBD)”が主題として取り上げられない消化器関連の学会はない.そういった意味ではIBDは良性腸疾患の代表であり,IBDに通暁していない消化器病の臨床家は皆無と思われる.
本来IBDという言葉は感染症,寄生虫など原因の明らかな腸疾患と,潰瘍性大腸炎やCrohn病など原因不明の腸疾患と一線を画すために1930年ごろnon-specific inflammatory bowel diseaseとして用いられたのが始まりらしい.
現在ではこの両者は遺伝子学的にも,免疫学的にも,病因論からも形態学の面でも,更に治療の面でも全く異なる疾患であることが明らかにされているが,今でもIBDとして一括されて論じられてる.
本稿では古い「胃と腸」をひもといて,IBDの中でも本邦で芽生えた形態学的業績を中心に述べ,現状と今後の問題点についても考えてみたい.
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