特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
疾患
炎症性腸疾患(IBD)
長坂 光夫
1
1藤田医科大学消化器内科
キーワード:
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
炎症性腸疾患
,
IBD
,
分子標的薬
Keyword:
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
炎症性腸疾患
,
IBD
,
分子標的薬
pp.112-117
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228701
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潰瘍性大腸炎,Crohn病を主とする炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は原因不明の難治性疾患であり,その患者数は近年増加の一途を辿る.かつてのIBDの治療は食事・栄養療法が主体であったが,その後サラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine:SASP),5-アミノサリチル酸(5-aminosalicylic acid:5-ASA)製剤,副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)を主体とする薬物療法,そして現在はさまざまな分子標的薬へと移行した.新たな治療薬によりIBDの治療目標は症状の緩和から内視鏡的粘膜治癒1,2),そして組織学的治癒へとハードルが上がったといえる.診断機器はX線造影検査から内視鏡,カプセル内視鏡3〜5),バルーン内視鏡6〜8),そしてCT enterograph,MR enterography(MRE)へ,バイオマーカーとして赤血球沈降速度(赤沈),C反応性蛋白(C reactive protein:CRP)に加えて便カルプロテクチン,ロイシンリッチα2グリコプロテイン(Leucine-rich alpha 2 glycoprotein:LRG)など,新規の検査法や新薬の開発によりIBDの診断・治療はこの10年で大きな変遷を遂げた.
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