特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第7章:消化管
大腸ポリープ切除後のフォローアップは3年以上空けてよい
岡 志郎
1
,
田中 信治
2
1広島大学病院消化器・代謝内科
2広島大学病院内視鏡診療科
キーワード:
大腸ポリープ
,
内視鏡切除
,
サーベイランス
Keyword:
大腸ポリープ
,
内視鏡切除
,
サーベイランス
pp.593-595
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_593
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本邦における大腸がんの年齢調整死亡率は1995年以降,横ばいからやや減少傾向にあるが,検診受診率が不十分なため高齢者を中心に大腸がんの罹患率や実際の死亡率は増加しており,本邦のがん死亡順位で2位に位置する.大腸腫瘍(腺腫およびがん)に対して内視鏡切除を施行した患者は大腸がんの高危険度群であるため,その後の定期的なサーベイランスとして全大腸内視鏡検査(total colonoscopy:TCS)が必要である.大腸腫瘍切除後にサーベイランスTCSが必要な理由として,① 見逃し病変の予防,② 切除後の局所遺残再発病変の確認,③ 異時性多発病変の診断・治療,があげられる.従来,大腸内視鏡切除後の適切なサーベイランス間隔に関する十分な議論や明確なエビデンスがなく,内視鏡医の裁量に任され毎年TCSを施行するケースも多かった.現在,さまざまなエビデンスや専門家の意見を基に,大腸内視鏡切除後のサーベイランスに関するガイドラインが欧米および本邦で刊行されている1~4).本稿では,海外と本邦における大腸上皮性腫瘍(腺腫およびがん)に対する内視鏡切除後のサーベイランスの現状についてガイドラインを中心に解説する.
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