特集 易感染患者のマネジメント―“免疫不全” で思考停止にならない
移植患者と感染症
造血幹細胞移植
大澤 良介
1
1亀田総合病院感染症科
キーワード:
造血幹細胞移植
,
移植片対宿主病
,
細胞性免疫
,
液性免疫
Keyword:
造血幹細胞移植
,
移植片対宿主病
,
細胞性免疫
,
液性免疫
pp.267-270
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_267
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Summary
▪造血幹細胞移植後患者は,移植前処置による好中球減少や消化管の粘膜障害,移植片対宿主病(GVHD)の予防や治療に使われる免疫抑制薬による細胞性免疫の低下,また,慢性GVHDによる液性免疫と脾機能の低下を原因として,高度の免疫抑制状態にある.
▪感染症の診療に当たっては,移植後の時期(生着前,生着後前期,生着後後期),GVHD合併の有無と投与されている免疫抑制薬の機序を把握し,患者の免疫状態を的確に評価して,どのような微生物(細菌,真菌,ウイルス,寄生虫)による感染症が起こりやすいかを症例ごとに理解することが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019