特集 大きく進歩した造血器腫瘍の診断と治療
造血幹細胞移植適応の変化
土岐 典子
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 血液内科
キーワード:
Cyclophosphamide
,
移植片対宿主病
,
同種移植
,
骨髄移植
,
造血幹細胞移植
,
パルス療法(薬物療法)
,
臍帯血幹細胞移植
,
臍帯血バンク
,
静脈内投与
,
末梢血幹細胞移植
,
ハプロタイプ一致移植
,
骨髄バンク
Keyword:
Transplantation, Homologous
,
Graft vs Host Disease
,
Cyclophosphamide
,
Bone Marrow Transplantation
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Transplantation, Haploidentical
,
Administration, Intravenous
,
Pulse Therapy, Drug
,
Cord Blood Stem Cell Transplantation
,
Peripheral Blood Stem Cell Transplantation
pp.837-842
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021232225
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<Headline>1 同種造血幹細胞移植は、ヒト白血球抗原(HLA)適合骨髄移植が基盤である。同種造血幹細胞移植の適応拡大の主な点として、造血幹細胞源の拡大、骨髄非破壊的前処置の発展、HLA半合致移植が挙げられる。2 造血幹細胞源は、骨髄のみであったものが、末梢血幹細胞・臍帯血へと広がった。また骨髄・臍帯血バンクが設立され、非血縁ドナーからの移植も可能となった。3 骨髄非破壊的前処置の発展により、高齢者や臓器障害のある患者に対しても移植適応が広がった。4 HLA半合致移植の確立により、HLAのバリアーを超えた移植が可能となり、患者の病状に合わせて、HLA半合致ドナーからの移植も選択できるようになった。5 抗菌薬、graft-versus-host disease(GVHD)予防に使用する免疫抑制薬、支持療法などの発展により、移植の成績が向上した。新規抗体薬・分子標的薬の発展により、移植適応は変化している。
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