造血幹細胞移植の多様性に迫る 質の高い治癒を目指したアプローチ
造血幹細胞移植後合併症へのアプローチ 造血幹細胞移植後の眼合併症
小川 葉子
1
1慶応義塾大学 医学部眼科
キーワード:
移植片対宿主病
,
眼疾患
,
術後合併症
,
線維芽細胞
,
点眼剤
,
発生率
,
免疫抑制剤
,
T細胞
,
チーム医療
,
眼球乾燥症候群
,
重症度指標
,
造血幹細胞移植
,
早期診断
Keyword:
Eye Diseases
,
Fibroblasts
,
Graft vs Host Disease
,
Immunosuppressive Agents
,
Ophthalmic Solutions
,
Postoperative Complications
,
Patient Care Team
,
Severity of Illness Index
,
T-Lymphocytes
,
Incidence
,
Dry Eye Syndromes
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Early Diagnosis
pp.297-302
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009299259
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造血幹細胞移植後の眼合併症は、ドライアイの頻度がもっとも高い。GVHDによるドライアイ発症前の眼瞼結膜偽膜に注意する。GVHDによるドライアイ軽症例の急速進行に注意する。内科との緊密な連携により、全身免疫抑制薬の増減を把握する。まれであるが重症例の角膜混濁、穿孔に注意する。全身局所副腎皮質ステロイドの影響による白内障、緑内障に注意する。眼GVHDの病態に、病的線維芽細胞が積極的に関与する可能性がある。病的線維芽細胞とT細胞とのinteractionにより、病態が増幅する。眼GVHD発症予防、早期診断と局所免疫抑制薬や局所抗線維化療法の必要性を示す。
©Nankodo Co., Ltd., 2009