特集 エビデンスを2型糖尿病臨床にどう生かせばいい?―Evidence Based MedicineをReal Worldへ
Overview
エビデンスを日常臨床に,日常臨床からエビデンスを
康永 秀生
1
Hideo YASUNAGA
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学
キーワード:
エビデンス
,
根拠に基づく医療(EBM)
,
ランダム化比較試験(RCT)
,
観察研究
Keyword:
エビデンス
,
根拠に基づく医療(EBM)
,
ランダム化比較試験(RCT)
,
観察研究
pp.5-9
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_5
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Summary
▪根拠に基づく医療(EBM)とは,臨床家の行動規範を示す概念である.
▪SackettらはEBMを実践する5つの手順を提唱した.EBMとは,個々の患者に対し最新最良のエビデンスを一貫して適用すること,エビデンス・患者の意向・臨床能力を統合することである.
▪最強のエビデンスはランダム化比較試験(RCT)であるというのは誤解である.臨床研究の多くはRCTでなく観察研究である.
▪エビデンスには根源的なジレンマがある.集団に対し効果が証明された治療が,個々の患者に必ず有効とは限らない.
▪エビデンスは隙間だらけである.未解明の臨床的疑問に答えるには,日常臨床からエビデンスをみずから生み出さねばならない.
© Nankodo Co., Ltd., 2018