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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
観察研究の方法
観察研究(コホート研究タイプ)の基礎と応用
Application of cohort study design in clinical setting
山本 精一郎
1
,
溝田 友里
1
Seiichiro YAMAMOTO
1
,
Yuri MIZOTA
1
1静岡社会健康医学大学院大学,国立がん研究センター
キーワード:
コホート
,
レトロスペクティブ
,
プロスペクティブ
,
ランダム化比較試験(RCT)
,
介入研究
,
観察研究
Keyword:
コホート
,
レトロスペクティブ
,
プロスペクティブ
,
ランダム化比較試験(RCT)
,
介入研究
,
観察研究
pp.404-409
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005404
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コホート研究の主な目的は,関心のある要因(曝露)のアウトカム(疾患罹患や死亡などのイベント)に対する因果効果の推定である.本稿では,コホート研究として曝露が研究者の介入を伴わない観察研究を取り上げるが,より洗練された因果効果推定のデザインである,ランダム化比較試験(RCT)と比較することは理解の助けとなる.コホート研究では前向き,後ろ向きにかかわらず,交絡の調整やバイアスの低減が研究デザインや統計解析上,最も重要な問題のひとつとなる.コホート研究を実施する場合には,介入以外の部分をphase Ⅲ試験などの臨床試験にできるだけ近づけるようにすることが研究の質を高めるために重要である.本稿では具体的な例をあげることにより,臨床の場面における新たな前向きコホート研究実施の可能性を示し,新たな研究分野の開拓を促すことを目的としたい.
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