Japanese
English
特集 stroke unitの10年
エビデンスの動向
Trends in evidence based medicine for stroke unit.
井上 勲
1
Isao Inoue
1
1相澤病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Aizawa Hospital
キーワード:
脳卒中専門病棟
,
エビデンス
Keyword:
脳卒中専門病棟
,
エビデンス
pp.1145-1151
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101393
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
組織化された脳卒中専門の診療体制(stroke unit care)とは,看護師,医師,セラピストなどの専門多職種が協働するチーム医療と定義される1,2).また,その脳卒中治療を専門的に行う単一病棟(病床群)を脳卒中専門病棟(stroke unit;SU)と呼び,ノルウェーのIndredavikら3)をはじめとする北欧からの治療成績により,その有効性が確認された4).その後,脳卒中医療は,超急性期脳梗塞に対する組織プラスミノーゲンアクチベーター(一般名:アルテプラーゼ,以下,rt-PA)の有効性が証明されてからブレインアタックの時代となった.今では,最初に有効性が報告された北欧型SUとは異なり,心臓の冠疾患集中治療室(coronary care unit;CCU)をモデルにしたモニター機能を充実させた脳卒中集中治療室(stroke care unit;SCU)も含めて議論され,広義のSUである病棟の運用形態は国や各施設により多種多様である.
本稿では,多くのSUのエビデンスが欧州のものに片寄り,地域差があることから,広義のSUを,狭義のSUとSCUに厳密に区別したうえで欧州,北米,日本での変遷に触れ,研究報告を臨床的疑問別に紹介する.また,わが国の医療体制の問題点と課題についても考察を加えた.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.