特集 研究を活かしケアにつなぐ看取りのエビデンス
死を迎える人へのケア
鎮静 ~緩和困難な苦痛のケア~
市原 香織
1
Kaori ICHIHARA
1
1ファミリー・ホスピス株式会社ファミリー・ホスピス京都北山ハウス
pp.686-689
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_686
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はじめに
治療抵抗性の苦痛緩和のための鎮静は,終末期にあるがん患者のさまざまな苦痛緩和のための治療・ケアの手を尽くしても,残存する苦痛を緩和する治療として,臨床現場では広く理解されている.すなわち,患者が平穏な死を迎えるために,緩和ケアが果たす重要な役割として,これまでも認識されてきた.本稿は,看護の視点から鎮静前後の患者・家族へのケア,医療者の倫理的な悩みの解決につながる内容を検討し,特定非営利活動法人日本緩和医療学会の「がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き2018年版」(以下,2018年度版手引き)1)を参考にしながら記述した.
© Nankodo Co., Ltd., 2021