特集 内科診療にガイドラインを生かす
緩和ケア
苦痛緩和のための鎮静
森田 達也
1
1聖隷三方原病院緩和支持治療科
pp.527-531
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107159
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
苦痛緩和のための鎮静(palliative sedation therapy)は,1990年代前半から導入された概念である.ほかの手段で十分に緩和されない苦痛に対して,睡眠薬や麻酔薬の全身投与によって患者の意識を低下させることによって苦痛緩和を得る手段を指す.概念の導入前後では,安楽死(euthanasia)との医学的,倫理的,法的異同について国際的に大きな議論となったが,2000年からは各国で蓄積された実証研究にもとづくガイドラインが整備された.現在,緩和治療の1つのオプションとして位置づけるものが多い.
複数のガイドラインが提示されている(表1)1~5).いずれも推奨度は設定されておらず,用語や概念の定義,frameworkを明確化するように記載されている.
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