特集 研究を活かしケアにつなぐ看取りのエビデンス
死を迎える人へのケア
輸液,栄養,食べること
向井 未年子
1
Mineko MUKAI
1
1愛知県がんセンター看護部/がん看護専門看護師
pp.682-685
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_682
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はじめに
人間にとって「食べること」は必要な栄養を摂取するだけでなく,味を楽しみ,人生を豊かにするなどQOLを高める重要な意味をもつ.
しかし,がん終末期の患者は悪液質の進行やがんによる通過障害などで「食べること」が困難となることが多い.緩和ケア領域での調査では,進行がん患者の75%に食欲不振,67%に体重減少が認められており1),看取り期ではほとんどの患者は経口摂取ができなくなり,水分摂取も困難となる.
看取り期においては,看護師は患者と家族が抱える食に関する苦悩を理解し,少しでも緩和できるようなケアを行う必要がある.
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