特集 エビデンスに基づく看取り期のケア
苦痛緩和のための鎮静
佐久間 麻美
1
Asami SAKUMA
1
1東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
pp.374-377
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_374
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はじめに
終末期がん患者には,治療やケアを尽くしてもなお耐えがたい苦痛が生じることがあり,その場合は苦痛緩和のための鎮静という選択肢がある.しかし,鎮静を行えば看取りまで患者とコミュニケーションがとれなくなる可能性があり,鎮静は本人,家族,そして医療者にとっても苦渋の決断であることが少なくない.そのため,患者と患者をとりまくすべての人々が納得して鎮静を選択できることが重要である.本稿では,日本緩和医療学会の「がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版」を基に,苦痛緩和のための鎮静についてまとめている.

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