特集 進行・再発がん患者へのケア
ゲノム時代の進行がん患者に必要な看護 ~薬物療法における薬剤選択のために遺伝子検査を受ける患者の看護を考える~
大川 恵
1
Megumi OKAWA
1
1聖路加国際病院看護部/遺伝看護専門看護師
pp.228-231
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_228
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はじめに
がんゲノム医療は,がん遺伝子パネル検査が2019年6月に保険収載されたことで,薬物療法における薬剤選択のための検査として全国に実装された.
がん遺伝子パネル検査は,がん診療連携拠点病院等の専門部署で扱われていることが多い.そのため,患者が検査を決める前後にかかわる医療者は限られており,がんゲノム医療によって,患者の治療状況がどう変化し,患者の意思決定や療養選択にどう影響しているのか,理解しづらくなっている.
本稿では,がん遺伝子パネル検査と,結果に基づく薬剤選択のしくみや,検査の不確実性と限界について説明する.そして,実際に検査を受ける患者の背景や思いについて理解を深め,患者に必要なアセスメントのあり方や看護を見出す一助としたい.
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