特集 小児がん診療の新展開
各論 小児がんに関連する診療の新展開
がんの遺伝子関連検査とゲノム診断
関口 昌央
1
Masahiro Sekiguchi
1
1国立成育医療研究センター小児がんセンター小児がんゲノム診療科
pp.1463-1467
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002763
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はじめに
がんは一般に,体の正常細胞にゲノム異常が生じることによって発症する。そのため,がん細胞に存在するゲノム異常を明らかにすることは,がんの臨床的特徴の理解や診療方針の決定に直結しうる。近年,がん遺伝子パネル検査の保険収載を含め,診療で実施可能な遺伝子関連検査が拡充し,がんゲノムの重要性が一層認識されるようになっている。これらの検査は,成人がんでは有効な分子標的薬の同定を目的に行われることが多い。一方,小児がんはその稀少性ゆえに病理診断が困難な場合が少なくなく,ゲノム異常のプロファイルを把握することが診断そのものに資することもある。

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