特集 ゲノム医療とがん看護 ~私たちはなにを知って,なにをする?~
【がんゲノム医療の「いま」を知る!】
がん遺伝子パネル検査を受ける肺がん患者への看護 【somatic】
蓮岡 佳代子
1
Kayoko HASUOKA
1
1岡山大学病院腫瘍センター/がん看護専門看護師
pp.736-738
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_736
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はじめに
肺がんは,診断時あるいは標準治療が終了した時点に複数のがん関連遺伝子を調べて治療選択が行われており,個別化医療が進んでいるがん腫の一つである.がん遺伝子パネル検査は2019年6月から保険収載されたが,がんゲノムプロファイリング機能とコンパニオン診断機能を有しているFoundationOne®CDxがんゲノムプロファイル,がんゲノムプロファイリング機能をだけを有しているOncoGuide™NCCオンコパネルシステム,コンパニオン診断機能のみを有したオンコマインDxTargetTestマルチCDxシステム(非小細胞肺がん患者が対象)の3つの検査が適用条件を満たしていれば,保険診療で実施することができる.がん遺伝子パネル検査は,標準治療が終了もしくは終了見込みの状況となった患者にとって,大きな希望となっているが,実際には検査結果から治療候補薬剤が見つかる可能性は約1割程度という報告1)があり,検査を検討するときや検査後の療養において,看護支援を必要とする患者が多くいる.
本稿では,主にがんゲノムプロファイリング機能を有している保険診療で行われるがん遺伝子パネル検査(FoundationOne®CDxがんゲノムプロファイル)を受ける肺がん患者への看護について,具体的な事例を用いて紹介する.
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