特集 進行・再発がん患者へのケア
進行・再発がん患者のアドバンス・ケア・プランニング ~ACPの第一歩~
田代 真理
1
Mari TASHIRO
1
1悠翔会在宅クリニック渋谷/がん看護専門看護師
pp.232-234
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_232
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はじめに
近年のがん治療開発,適応拡大などは目覚ましく,医療者でさえ情報の理解が追いつかないこともある.そのような中,進行・再発がん患者が予後や悪化のプロセスをふまえて今後の治療やケア,療養場所を意思決定するには多くの困難があると考える.2018(平成30)年に改訂された「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」1)では,心身の状態の変化などに応じて,本人の意思は変化しうるものであり,医療・ケアの方針や,どのような生き方を望むかなどを,日ごろからくりかえし話し合うこと(ACPの取り組み)の重要性が強調されている.今後,進行・再発がん患者のACPの支援に,診断期から終末期までがんのプロセス全般にかかわる機会のある看護師に期待される役割は大きいといえる.ここでは,日ごろの看護実践の中でどのようにACPへの支援を進めていったらよいのか,筆者らの行った研究の結果などをふまえて考えてみたい.
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