特集 上部消化管がん看護のいま2020
術前の栄養コントロール ~栄養補助食品を摂取する必要性とその効果~
竹内 抄與子
1
Sayoko TAKEUCHI
1
1がん研究会有明病院看護部/がん看護専門看護師
pp.532-534
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_532
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術前栄養管理の必要性
がんによる影響
がんは,①自律性増殖,②浸潤と転移,③悪液質という3つの特徴がある.悪液質は,がん自体が産生・分泌する炎症性サイトカインにより,骨格筋の減少・脂肪組織の分解・代謝異常・食欲の抑制などが起こり,診断時に体重減少など栄養状態が低下している場合もある.また,胃がんは高齢者の罹患が多く,罹患者数は男性で1位,女性で3位である1).人は,加齢によって40歳以降では1年に0.5~1%程度筋肉量は減少する2)と言われ,これはサルコペニアという状態である.サルコペニアは術後の回復促進の障害になるため,高齢者に多い胃がん患者では考慮する必要がある.
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