特集1 免疫チェックポイント阻害薬 ~知って実践! 免疫関連有害事象マネジメント~
免疫関連有害事象とはどんなもの?
河村 奈緒
1
Nao KAWAMURA
1
1静岡県立静岡がんセンター消化器内科病棟/がん看護専門看護師
pp.301-304
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_301
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自己免疫反応と免疫関連有害事象
自己免疫反応とは,体外から侵入した異物や体内に発生したがん細胞などを非自己と認識して排除する働きが過剰であるときに生じる反応である.本来,免疫反応は活性化シグナルと抑制シグナルがバランスを取りながら働いている.自己免疫疾患は,このバランスが崩れることで症状が出現する.
免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitors:ICI)は,抑制シグナルを遮断し,免疫機能が活性化することでがん細胞に対して排除しようとする働きが強まり,抗腫瘍効果を発揮する.この際に,免疫機能が過剰に活性化され,ときに自己免疫反応を引き起こす.これが,ICIによって起こる免疫関連有害事象(immune related adverse events:irAE)である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020