連載 これからの免疫療法の話をしよう[5]
免疫関連有害事象(irAE)—その作用機序とは
珠玖 洋
1
,
北野 滋久
2
1三重大学大学院医学系研究科病態解明医学講座遺伝子・免疫細胞治療学
2国立がん研究センター中央病院先端医療科
pp.320-325
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200202
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はじめに
連載第2回から第4回までは、開発が先行する免疫チェックポイント阻害薬について解説しました。5回目の今回は、免疫チェックポイント阻害薬に特有の副作用(有害事象)である免疫関連有害事象について説明させていただきます。従来の抗がん剤や分子標的薬剤による副作用は、ほとんどのケースでそれぞれの薬剤が体の各組織に直接作用して傷害することによって生じるものでした。しかしながら、免疫チェックポイント阻害薬はこれまで詳しく説明してきたように、直接作用するポイントが我々宿主の免疫細胞であるリンパ球です。したがって、副作用も我々の免疫細胞を介したものであり、これまでの抗がん剤とは全く異なる作用機序となりますので、どのような機序であるかを説明させていただきます。
また、トピックスとして、「がん免疫療法の登場によって変わるチーム医療体制について」を取り上げさせていただきます。
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