特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【総論】
Ⅲ 抗悪性腫瘍薬使用時の副作用に対する対策
9.免疫関連有害事象(irAE)
林 秀敏
1
H. Hayashi
1
1近畿大学医学部内科学腫瘍内科
pp.1399-1404
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001952
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免疫チェックポイント阻害薬は,免疫チェックポイント分子を阻害することで抑制系シグナルを解除し,宿主の抗腫瘍免疫反応を増強して,最終的に抗腫瘍効果を現す。もともとこれらの免疫チェックポイント分子が関連する経路は,自己抗原に対する免疫システムの活性を抑制するなど,ヒトの免疫システムの調整を図るために得られたものとされている。そのため免疫チェックポイント分子の阻害により,過剰な自己抗原に対する免疫の活性化を引き起こして,自己免疫疾患様の状態を生じさせる副作用として免疫関連有害事象(immune-related adverse event;irAE)が引き起こされることが知られている1)。
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