特集1 免疫チェックポイント阻害薬 ~知って実践! 免疫関連有害事象マネジメント~
免疫関連有害事象の早期発見
中島 和子
1
Kazuko NAKAJIMA
1
1静岡県立静岡がんセンター血液・幹細胞移植科病棟/がん化学療法看護認定看護師
pp.305-308
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_305
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はじめに
免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)は,免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibtor:ICI)の適応拡大や薬剤の増加,治療法の開発によって,ICI単剤療法に留まらずICIどうしおよび細胞障害性抗がん薬との併用により,その出現形態はより複雑になっている.さらに併用療法やLate-LineでのICIの使用によって,患者に起こっている症状が薬剤の有害事象なのか,原疾患の悪化なのか,アセスメントやその対処を困難にしている.
『がん免疫療法ガイドライン 第2版』では,重症度に応じてすみやかに,適切な治療を行うことで多くのirAEをコントロールすることが可能であるが,重症例や死亡例も報告されているため,注意深いモニタリングが必要である1),と述べられている.ICI治療中の患者の経過は主に外来でみていくことになる.つまり,irAEを早期に発見してコントロールするためには,患者自身が日常生活の中で注意深くセルフモニタリングを継続し,症状を自覚したら適切なタイミングで病院に連絡できることが重要となる.本稿ではirAE早期発見のための外来電話対応と看護師による問診方法について当院の取組みを述べる.
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