Japanese
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特集 免疫チェックポイント阻害薬のirAE(免疫関連有害事象)
【注意すべきirAE】
下垂体の免疫関連有害事象
Immune-related adverse events in pituitary glands
岩間 信太郎
1
,
有馬 寛
2
Shintaro IWAMA
1
,
Hiroshi ARIMA
2
1名古屋大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科
2同大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学
キーワード:
下垂体炎
,
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症
,
CTLA-4
,
PD-1
,
下垂体機能低下症
Keyword:
下垂体炎
,
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症
,
CTLA-4
,
PD-1
,
下垂体機能低下症
pp.782-785
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27608782
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は多くの癌腫で有効性が示されている.一方,ICI療法では自己免疫機序を介すると考えられる有害事象(免疫関連有害事象;irAE)の発生が問題となる.ICIによる下垂体機能障害には,下垂体の腫大と複数の下垂体前葉ホルモン分泌低下が認められる下垂体炎と,下垂体の腫大はなく副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌低下症のみを呈するACTH単独欠損症の2つの病型があり,いずれもACTH分泌低下症は必発である.したがって,下垂体機能障害は診断が遅れれば副腎クリーゼとなりうる重篤な副作用といえる.最近,筆者らは,ICIによる下垂体機能障害の発症者は非発症者と比し生存率が延長することを明らかにした.すなわち,ICIによる下垂体機能障害を早期に診断して適切に対処することは,ICIの安全使用に寄与するだけでなく,患者の生命予後の改善にもつながると考えられる.
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