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特集 整形外科医が知っておくべき脳神経内科疾患
免疫チェックポイント阻害薬における免疫関連有害事象(irAE)
Immune-related adverse events(irAE)in cancer immune checkpoint inhibitors
角南 陽子
1
,
鈴木 重明
1
Yoko SUNAMI
1
1東京都立神経病院,脳神経内科
キーワード:
Immune-related adverse events
,
Immune checkpoint inhibitors
,
Neuromuscular disorders
Keyword:
Immune-related adverse events
,
Immune checkpoint inhibitors
,
Neuromuscular disorders
pp.1521-1526
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003632
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要旨:免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は,がん治療に革新をもたらした。近年,その適応は拡大傾向にあり,免疫関連有害事象(irAE)として発症する神経・筋障害へ遭遇する機会も増えることが予測される。神経・筋障害としてのirAEの頻度は,軽微なものを含めると3~5%と考えられる。末梢神経障害の発症は急性から慢性と多彩であり,左右対称の下肢筋力低下が特徴的で,自律神経障害をきたすこともある。重症筋無力症(MG)と筋炎は双方の特徴を併せもつことが多く,高CK血症が発症のメルクマールになりうる。MGと筋炎は,心筋障害の合併が多く,循環器内科との連携が必要となる。いずれの病態も,急速に進行し重篤化する可能性があるため,早期診断が重要である。治療はステロイドが主軸であり,重症例では免疫グロブリン静注や血液浄化療法の追加治療を検討する。

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