特集 がん患者の創傷・皮膚障害 ~ケアの基本と実践~
【がん薬物療法関連創傷・皮膚障害】
ざ瘡様皮疹・皮膚乾燥・爪囲炎 ~治療継続のためのケアとセルフマネジメント支援~
根上 リサ
Risa NEGAMI
pp.728-732
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_728
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はじめに
がん薬物療法では,殺細胞性抗がん薬,分子標的治療薬,免疫治療薬が用いられる.なかでも,分子標的治療薬であるEGFR(epidermal growth factor receptor:上皮成長因子受容体)阻害薬は,特徴的な皮膚障害を引き起こすことが知られている.皮膚障害が,患者のquality of life(QOL)に与える影響は大きく,身体的苦痛だけではなく外見の変化に伴う心理社会的な苦痛も与える.大切なことは,皮膚障害の重症化を予防することで治療が継続でき,その人らしく生活できることである.患者と家族を含めた多職種で協働し皮膚障害の多面的なマネジメントを行っていくことが重要である.
本稿では,EGFR阻害薬の皮膚障害であるざ瘡様皮疹,皮膚乾燥,爪囲炎について解説し,治療継続のために行うケアとセルフマネジメント支援について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019