Japanese
English
特集 肝細胞癌の病態と新しい治療戦略
序/肝細胞癌の病態と治療―画像の役割
Pathophysiology and Treatment of Hepatocellular Carcinoma:Role of Imaging Diagnosis
工藤 正俊
1
Masatoshi KUDO
1
1近畿大学医学部消化器内科
1Department of Gastroenterrology and Hepatology, Kinki University School of Medicine
キーワード:
肝細胞癌
,
画像診断
,
造影ハーモニックイメージング
,
ラジオ波焼灼療法
Keyword:
肝細胞癌
,
画像診断
,
造影ハーモニックイメージング
,
ラジオ波焼灼療法
pp.407-408
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900427
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- Abstract 文献概要
はじめに
肝細胞癌の治療戦略が他の臓器癌と異なる点は,①肝が動脈と門脈の二重支配を受けること,②これが病態や悪性度と密接に関連すること,さらに,③治療が肝予備能による制約を受けること,④多段階ならびに多中心発癌をきたすため常に再発を考慮に入れた治療戦略を立てる必要があること,⑤最終的“全肝根治”を得るためには根治的治療の重要性に加え,背景肝治療が必須であること,などである.
以上のことから肝癌の治療法の選択にあたっては,①結節の悪性度評価を正確に行い,②治療すべき(治療によりbenefitがある)結節であるか否かを的確に判断し,さらに,③肝予備能と進展度を考慮した最適な治療法を選択し,④インターフェロン治療などの背景肝治療の適応の有無を検討し,治療を継続しながら,⑤再発の早期発見,早期治療に努めることに尽きる.
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