Japanese
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症例
鼠径部膀胱ヘルニアに対して高位腹膜切開アプローチによる単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を行った4例
Single-incision laparoscopic transabdominal pre-peritoneal repair(TAPP)for inguinal bladder hernia
河野 修三
1
,
田上 和夫
1
,
松田 博光
1
,
金澤 昌満
1
,
上野 毅一郎
1
S. Kohno
1
,
K. Tanoue
1
,
H. Matsuda
1
,
M. Kanazawa
1
,
K. Ueno
1
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キーワード:
鼠径部膀胱ヘルニア
,
単孔式
,
TAPP
Keyword:
鼠径部膀胱ヘルニア
,
単孔式
,
TAPP
pp.933-937
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_933
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はじめに 鼠径部膀胱ヘルニアは本邦においては比較的まれであり,膀胱壁の一部またはすべてが骨盤壁の正常部分もしくは異所性開口部分から脱出したものである.近年,鼠径部膀胱ヘルニアに対する腹腔鏡下手術が増加している.筆者らは,2010年5月~2020年6月に当院で成人鼠径部ヘルニアに対して高位腹膜切開アプローチによる単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(transabdominal pre-peritoneal repair:TAPP)を施行した384例の中で,鼠径部膀胱ヘルニア4例(1.0%)を経験したので報告する.この手術手技は腹膜切開を上前腸骨棘の高さから開始することにより広い術野で安全に手術を行うことができ,メッシュの展開も容易である.さらに術中の診断が容易であるうえ,対側の観察も可能であり,また,腹膜閉鎖に対してはタッキングを併用することで手術時間の短縮や縫合によるストレスを減らすことができる手技と考える.
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